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東京高等裁判所 昭和38年(ネ)2752号 判決 1966年3月31日

控訴人・附帯被控訴人=(被告)

岩片医療器株式会社

右代表者

岩片幸雄

右訴訟代理人

上杉柳蔵

被控訴人・附帯控訴人=(原告)

布施吉彦

右訴訟代理人

上山義昭

主文

原判決中、控訴人(附帯被控訴人)に対し、金一、六四九、九九七円および内金五〇〇、〇〇〇円に対する昭和三五年一二月二一日以降、内金一、一四九、九九七円に対する昭和三六年四月一日以降完済まで各年分の割合による金員の支払を命じた部分を除き、その余の部分を取り消す。

右取消に係る部分の被控訴人(附帯控訴人)の請求を棄却する。

控訴人(附帯被控訴人)は被控訴人(附帯控訴人)に対し、金二六三、九九九円およびこれに対する昭和三五年一二月二一日以降完済まで年五分の割合による金員を支払え。

控訴人(附帯被控訴の人)その余の控訴および被控訴人(附帯控訴人)の附帯控訴ならびに当審でのその余の請求は、いずれもこれを棄却する。

訴訟費用は、第一、二審を通じこれを二分し、その一を控訴人(附帯被控訴人)の負担、他の一を被控訴人(附帯控訴人)の負担とする。

この判決は、主文第三項に限り、仮に執行することができる。

事実

控訴人(附帯被控訴人、以下単に控訴人という)の訴訟代理人は、「原判決中、控訴人敗訴の部分を取り消す。被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、附帯控訴につき、「附帯控訴を棄却する。附帯控訴人の当審における請求拡張部分を棄却する。」との判決を求めた。

被控訴人(附帯控訴人、以下単に被控訴人という)の訴訟代理人は、控訴人の控訴につき、「控訴棄却」の判決を求め、附帯控訴として、「原判決中被控訴人敗訴の部分を取り消す。控訴人は被控訴人に対し金一、二〇一、二二三円(内金五七九、五九一円は当審において請求拡張の部分)およびこれに対する昭和三五年一二月二一日以降完済まで年五分の割合による金員を支払え。附帯控訴に関する訴訟費用は控訴人の負担とする。」との判決ならびに仮執行の宣言を求めた。

当事者双方の事実上の陳述および証拠の関係は、左記のほかは、すべて原判決の事実摘示記載のとおりであるから、これを引用する。

被控訴代理人の主張。

(一)  被控訴人の得べかりし利益の総額は、金五、四九六、四五〇円であり、これをホフマン式計算法(複式)により年五分の割合による中間利息を控除して昭和三五年一二月二一日現在において一時に支払を受くべき金額に換算すれば金三、五四六、〇〇〇円である。すなわち、飯田橋公共職業安定所における未経験者の四輪自動車運転手の平均求人賃金は月九、〇〇〇円で、最高は月一一、〇〇〇円であり、二〇才末満の者の平均賃金を一とした場合、四〇才ないし四九才の者の平均賃金の割合は、その一、七倍であるから、四〇才ないし四九才の未経験自動車運転手の平均求人賃金は月一五、三〇〇円で、最高は月一八、七〇〇円となる。被控訴人は、本件事故のあつた以前に、実兄である訴外布施七郎方に店員として雇われ、月額二〇、〇〇〇円(固定給一四、〇〇〇円、残業手当など六、〇〇〇円)の給与を受けていたことがあるから、小型自動四輪車の運転手として就職していたなら、昭和三六年四月一日から前記平均求人賃金一五、三〇〇円に残業手当などを加算した金一八、七〇〇円(前記最高求人賃金額と同額)の給与を受け得たほか、少なくとも年に一回は給与一月分相当の賞与を受け得たものである。右給与月額一八、七〇〇円、年一回の賞与を基準とし、これに政府の所得倍増計画の進展による所得上昇率および経験年数による給与上昇率などを勘案すると、被控訴人は、自動車運転手として、別紙第二計算表記載のとおり、昭和三六年四月一日から昭和四七年三月三一日までの前後一一年間に合計金六、一〇七、一六六円の給与を得べかりしもので、右給与合計額から右給与を得るについての必要経費として一割に相当する金額を控除した金五、四九六、四五〇円が得べかりし純利益の喪失による損害額である。右損害額をホフマン式計算法により一年毎に年五分の割合による中間利息を控除して昭和三五年一二月二一日現在において一時に支払を受くる金額に引き直すと、その金額は合計金三、五四六、〇〇〇円となる。よつて、被控訴人は、原審における主張を右のとおり訂正して、右金三、五四六、〇〇〇円のうち金二、五〇八、〇六〇円(内金八、〇六〇円は、当審において請求拡張)およびこれに対する昭和三五年一二月二一日以降完済まで年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

(二)  控訴人は、右金二、五〇八、〇六〇円と慰藉料五〇〇、〇〇〇円、以上合計金三、〇〇八〇六〇円を賠償支払うべき義務があるのに、不当にも被控訴人の裁判外の請求に応じなかつた。そのため、被控訴人は止むなく本件訴訟代理人である弁護士上山義昭に本件訴訟、これに関連する東京地方裁判所昭和三七年(ヨ)第七、〇八八号仮差押申請事件ならびに同庁同年(モ)第一五五号訴訟上の救助申立事件を委任した結果、本件訴訟における勝訴額に対する一割九分に相当する金員を右弁護士に支払うべき義務を負担するに至つたもので、前記請求金額三、〇〇八、〇六〇円につき全額勝訴すれば、被控訴人の支払うべき手数料兼謝金の額は金五七一、五三一円となる。右の債務負担は、控訴人において前記の賠償義務を任意に履行せず、不当に争つたため、被控訴人が止むなく同弁護士に委任して本件訴訟を提起しなければならなくなつたため生じた損害であるから、控訴人は右損害をも賠償すべき義務がある。よつて控訴人に対し右金五七一、五三一円およびこれに対する昭和三五年一二月二一日以降完済まで年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

(三)  控訴人の後記主張事実は争う。被控訴人は、本件事故により、自動車運転手としての労働能力の全部を喪失し、日常の軽作業にも差支えを生ずる生涯の不具者となり、就職の道を失つたものである。

控訴代理人の主張。

(一)  被控訴人の本件事故によつて受けた負傷に基因する後遺症の程度は後記の如くであつて、その労働能力の全てを喪失したものではなく、右の程度の後遺症は道路交通法施行令第三三条に規定する運転免許資格喪失の事由に該当しない。したがつて被控訴人は、本件事故後においても、自動車運転手としての資格および労働能力を有しているものである。

(二)  被控訴人の得べかりし利益の喪失額は、本件事故発生当時被控訴人が得ていた収入額を基準として算定すべきである。被控訴人は、本件事故の前に受けた後記負傷のため、本件事故当時においては就労しておらず、月額七、六六八円の生活扶助を受けており、自己の労働による収入は皆無であつたのであるから、被控訴人には得べかりし利益の喪失はなかつたものである。

(三)  被控訴人は、昭和三四年九月屋根から転落して脳震盪、腰推脱臼、骨盤骨折、大腿部骨折等の負傷を受け、昭和二五年五月九日まで入院し、その後も同年一一月中旬まで通院していたもので、本件事故当時すでに右負傷による後遺症として、右膝九〇度以上屈曲不能、正坐不能、左足歩行時跛行の状態にあつたもので、右症状は、労働者災害補償保険法による障害補償費の支給についての労働基準局長通牒の別表労働能力喪失表によれば、障害等級第一二級に該当し、その労働能力喪失は一、〇〇〇分の一四〇であつた。しかるところ、本件事故による退院後の被控訴人は、左股関節屈曲一三〇度、左膝関節屈曲一四〇度、右股関節屈曲一一〇度、右膝関節屈曲七五度の各運動制限の後遺症がある状態で、右症状は、前記労働能力喪失表によれば、障害等級第一一級に該当し、その労働能力喪失は一、〇〇〇分の二〇〇である。したがつて右両者の症状の差、すなわち一、〇〇〇分の六〇が本件事故による純然たる労働能力の減少であるから、右労働能力の減少の度合を基準として、被控訴人の得べかりし利益の喪失額を算定すべきである。

証拠として、<省略>

理由

控訴会社の被用者である阿部守が、控訴会社のため控訴会社所有の貨物用軽三輪自動車(る―第四四五八)を運転中、昭和三五年一二月二〇日午後零時三〇分頃東京都千代田区神田駿河台三丁目九番地先の中央大学正門前道路の歩道において、被控訴人に衝突し、そのため被控訴人において左右両大腿骨骨折等の傷害を受けた事故の発生したことは、当事者間に争がない。

<証拠>を綜合すれば、次の事実を認めることができる。すなわち、本件事故は、小川町交差点から聖橋方面に通ずる道路の西側歩道上で、中央大学正門の北側門柱石の前方にある街路樹の地点で発生した。右道路は、幅員約一八米のアスフアルト舗装の車道の両側に歩道があり、本件事故現場附近では、ほぼ南北に走り、右街路樹の地点の約二五米南方附近で約三〇度東方にゆるくカープして小川町交差点に至つているが、右交差点附近から本件事故現場附近への見通しは極めて良好である。阿部守は、本件事故当日、控訴会社の事業執行のため、投薬瓶(一二〇CC)一〇〇本などを積載した前記自動車を運転して、時速約四五粁の速度(右道路における制限時速は四〇粁)で小川町交差点から聖橋方面に向つて前記道路を北進中、本件事故現場の手前で、右自動車の前方を自転車に乗つて車道を西側から東側に横断しつつあつた氏名不詳者との衝突をさけるため、急遽ハンドルを左に切るとともに急制動の措置を採つた。しかし遠心力の作用により車体が約三〇度右に傾斜し、左後車輪が浮き上つたため、運転の自由を奪われ、自動車はそのまま左斜前方に暴走して前記街路樹に衝突した。前記氏名不詳者は、右街路樹の南方約四米の地点から斜め北東に向つて、自転車に乗つて車道を横断しようとしたのであるが、その際阿部守の運転する自動車は、右街路樹の南方約二五米の地点にさしかかつていた。しかし、阿部守は、右自転車の動向に気付かず、依然前記速度のまま進行を続けたため、その数米手前の地点に接近するに及んで、始めて右自転車が自己の進路前方を渡りつつあるのを認め、右自転車との衝突をさけるため前記の如く急遽左にハンドルを切り、辛うじてこれとの衝突をさけることができたが、前記のような経過で街路樹に衝突するに至つた。被控訴人は、右街路樹の南側附近の歩道上で前記道路を横断するため機を窺つていたところ、阿部守の運転する自動車が突如として左斜前方に進路を変え、自己の方向に向つて究進して来たので、危険とみてとつさに右街路樹の蔭に逃げこまうとしたが、遂に及ばず、街路樹と自動車との間に挺まれ、前記の負傷を蒙つた。<証拠>中、右認定に反する部分は措信しがたく、その他に右認定を左右するに足る証拠はない。

右の認定事実によれば、本件事故は、阿部守が、四輪自動車に比し安定性の悪い三輪自動車である本件自動車を前記道路における制限時速四〇粁を超える時速約四五粁の速度で運転しながら、しかも前方注視を怠つたため、氏名不詳者が自転車に乗つて前記道路を横断する気配に気付かず、数米手前の地点にさしかかつて右自転車が自己の進路前方を横断中なることを発見し、あわててハンドルを左に切つて、これとの衝突をさけようとした結果、発生するに至つたもので、もし、阿部守において前方の注視を怠つていなければ、おそくとも本件事故現場の手前約二五米の地点で、前記自転車の動向を確認し、事前に減速などの措置を採ることにより、前記の如く急遽ハンドルを左に切らなければならないような事態の発生を未然に防止することができたものであることが明らかである。したがつて、本件事故の原因は、控訴会社の被用者である阿部守が、自動車運転者として用いるべき前方注視の義務を怠つた過失に因るものというべきである。

控訴会社は、本件事故は、前記氏名不詳者の過失と被控訴人の過失に基因するもので、阿部守には自動車の運行についての過失は全くなかつた旨主張するが、<証拠>中、右主張に副う部分は措信しがたく、その他に右主張事実を認めて、前記判断を覆えすに足る証拠はない。

<証拠>を綜合すれば、次の事実を認めることができる。すなわち、被控訴人は昭和三四年九月二八日屋根から転落し、脳震盪症、前頭部血腫、第五腰推脱臼、恥骨骨折、右大腿骨頸部骨折の負傷を受け、昭和三五年五月九日まで入院し、その後同年一一月一七日まで四七回に亘り通院治療をうけた。その治療終了時には、右股関節屈曲八〇度、外転外旋の制限があり、歩行時には跛行を呈していたが、右膝関節の屈曲はほぼ正常に復し、一般の軽作業に従事するには差支えがなく、歩行時に杖の使用を必要とせず、走ることにもさして困難を伴なわない状態にあつた。ところが、本件事故による負傷の結果、昭和三六年一〇月八日限院時においては、左股関節屈曲一三〇度、左膝関節屈曲一四〇度、右股関節屈曲一一〇度、右膝関節屈曲七五度の各運動制限の後遺症状が存し、起立および歩行を余り伴なわない軽作業に従事し得る状態となつた。被控訴人の前記転落事故による後遺症状の程度は、労働者災害保険法施行規則第一五条の別表第一の障害等級にあてはめると、同表の障害等級第一二級に、本件事後における後遺症状の程度は、同表の障害等級第八級に、各該当し、右障害等級第一二級は、労働省労働基準局長から各都道府県労働基準局長宛の昭和三五年一一月二日付通達の別表第一に定める労働能力喪失率一〇〇分の一四に、障害等級第八級は、同表に定める労働能力喪失率一〇〇分の四五に、各該当する。東京都新宿区戸山町所在の国立身体障害者センターにおいて昭和三七年から昭和四〇年までの約四年間に、自動車運転免許取得についての更生指導を受け、運転免許を取得した二三五名の身体障害者のうち、タクシーまたはトラツクの運転手として就職できた者は僅かに二名であるが、その余の者も自ら自動車を運転して通勤または自己の営業に従事している。被控訴人の本件事故後の後遺症状は、右センターで更生指導を受けている者に比べると、重い症状の部類に該当し、道路交通法第八五条の第一種免許を受けることはできても、同法第八六条の第二種免許を受けることができない程度のものである。しかし、この程度の身体障害者といえども、全く就職の機会を閉されているものではなく、働く意思さえあれば、それに適した職業に就職して稼働することは可能であり、前記センターにおいて自動車運転免許取得の更生指導を受けた身体障害者の大部分は、家庭電気器具商、靴商、時計店、洋裁店などに就職して社会に復帰している。現に、被控訴人は本件事故の後である昭和三七年四月二八日飯田橋公共職業安定所に身体障害者として求職の登録をなし、第一種求職登録者として登録され、間もなく同安定所から駅の新聞立売に就職するよう紹介を受けており、被控訴人において断わらなければ、就職できた。前記第一種求職登録者とは、身体障害者雇用促進法の別表に掲げる身体障害を有する求職者を指称し、この求職登録者は、身体障害者福祉法施行規則第八条第三項の別表第五号の二の身体障害者障害等級表の一級ないし六級に掲げを身体障害を有する者に相当し、同等級表一級および二級に当る者は重度の、三級および四級に該る者は中度の、五級および六級に該る者は軽度の、身体障害者として分類して取り扱われているが、前記労働者災害保険法施行規則第一五条の別表第一の障害等級第八級に該る者は、右分類の中度の者に、また同第一二級に該る者は、右分類の軽度の者に、それぞれ該当する。右中度以上の身体障害者であつて、自動車の運転を行なう者は逐次増加してはいるが、自動車運転手として雇用される例は極めて少ない。昭和四〇年六月三〇日現在、飯田橋公共職業安定所に身体障害者として登録中の八〇四人(内女二六八人)のうち七二八人(内女二三〇人)は就職しており、その就職率は九〇パーセントに達している。<証拠>中、右認定の趣旨に反する部分は、前記各証拠に照し、いずれも措信しがたく、他に右認定を覆えすに足る証拠はない。

右の認定事実によれば、被控訴人は、本件事故当時においては、右股関節屈曲八〇度、外転外旋の制限があつて歩行時に跛行を呈する程度の後遺症状があつたとはいえ、小型自動四輪車の運転手として就労し得るに差支えのない労働能力を有していたもので、本件事故による負傷の結果、自動車の運転手として就労し得る労働能力は喪失するに至つたが、一般の軽作業には従事することができ、少なくとも通常人の二分の一に相当する労働能力を有しているものと認めるのが相当である。

<証拠>を綜合すれば、被控訴人は大正五年三月生れで、高等小学校卒業後、日本橋の自転車店の店員などを経て昭和二一年頃から実兄である布施七郎の経営する自転車店に勤め、自転車の修繕などの業務に従事し、毎月二〇、〇〇〇円(本給一四、〇〇〇円、残業手当、修繕歩合など六、〇〇〇円)の給与を受け、妻子二人(子供は本件事故当時三才六ケ月)を扶養していたところ、前記転落事故により休業したため、爾来生活保護法による生活扶助を受けるに至つたが、前に軽自動車の運転免許を得ていたところから小型自動四輪車の運転手として就職しようと決心し、昭和三五年一〇月一一日更に小型自動四輪車の第一種免許を取得した上、飯田橋公共職業安定所に就職斡旋を申し込んでいたところ、間もなく本件事故に遭遇し、小型自動四輪車の運転手として就職する希望は挫折するに至つたことを認めることができ、昭和三五、六年当時においては、東京都内においても、求人数が求職数を大幅に上廻つていたことは顕著な事実であるから、被控訴人は、本件事故に遭遇しなかつたならば、遅くとも昭和三六年四月一日から希望どおり小型自動四輪車の運転手として就職することができ、同日以降毎月賃金収入を得ることができたものと推認するに難くない。

<証拠>によれば、新宿公共職業安定所において取り扱つた昭和三六年度における四輪自動車運転手の求人賃金は、年令三五才ないし四九才の経験年数二年ないし三年の者で最低一五、〇〇〇円、最高月二五、〇〇〇であつたこと、飯田橋公共職業安定所において取り扱つた昭和三六年一月中の一般求人二、五二五件を対象とした四輪自動車運転手の求人賃金は、未経験者で平均月九、〇〇〇円、最高一一、〇〇〇円、一年ないし三年の経験者で平均一三、〇〇〇円、最高二〇、〇〇〇円、三年ないし五年の経験者で平均一八、〇〇〇円、最高二五、〇〇〇円、五年ないし一〇年以上の経験者で平均二〇、〇〇〇円、最高二五、〇〇〇円であつて、二〇才未満の者の求人平均賃金を一とした場合、四〇才ないし四九才の者の求人平均賃金は、その一、七倍位であつたこと、芝園橋公共職業安定所において昭和三六年六月から八月までの三ケ月間に受けつけた小型四輪自動車運転手の求人賃金は、最低月一〇、〇〇〇円、最高二五、〇〇〇円で、平均求人賃金は一六、〇五八円であつこと、および昭和三六年四月当時における営業用小型貨物自動車運転手の、年令四〇才ないし四九才で経験年数一二、二年の者の全国平均賃金は、月二四、四一二円であつたことを認め得る。右の事実に、前記認定の被控訴人の年令、経歴、家族構成、本件事故前の賃金収入額、および前記転落事故による後遺症状の程度などを勘案すれば、被控訴人は昭和三六年四月一日から小型自動四輪車の運転手として、少なくとも月金一八、〇〇〇円の給与を受けることができたものと認めるのが相当である。右判定を覆えすに足る証拠はない。

被控訴人は、前記認定の生年月日から計算すれば、本件事故当時満四四才九ケ月であつたことが明らかであるから、昭和三六年四月一日から昭和四七年三月三一日(満五六才)に至るまでの一一年間、小型自動四輪車の運転手として稼動することができたものと認め得る。<証拠>によれば、東京商工会議所が東京都およびその近県における従業員の規模一、〇〇〇人以下の企業八七一社を対象として昭和三六年五月なした賃金調査の結果では、旧高等小学校卒の男子労務者の全企業平均賃金は、四〇才(勤続年数二六年)の者で三四、四五六円、四五才(勤続年数三一年)の者で三七、七〇七円、五〇才(勤続年数三六年)の者で四一、〇四六円、五五才(勤続年数四一年)の者で四三、六四八円であること、関東経営者協会が同年六月なした同協会会員会社についての賃金調査の結果では、運輸通信業に従事する旧高等小学校卒の東京在勤の男子労務者の平均賃金は、四〇才(勤続年数二六年)の者で三六、七九八円、四五才(勤続年数三一年)の者で三七、八三一円、五〇才(勤続年数三六年)の者で四〇、八五〇円、五五才(勤続年数四一年)の者で四三、四五五円、全産業平均賃金は、四〇才(勤続年数二六年)の者で三八、六五六円、四五才(勤続年数三一年)の者で四三、七〇七円、五〇才(勤続年数三六年)の者で四七、七六二円、五五才(勤続年数四一年)の者で五一、三九三円、同協会が同協会会員会社のうち従業員の規模五〇〇人以上の会社二一七社からの回答に基づいて調査した昭和三六年六月一日から昭和三七年五月末日までの一年間における昇給およびベースアツプによる従業員一人当りの賃金上昇率は、運輸通信業関係では最高三二パーセント、最低四・二パーセント、平均一〇・三パーセント、全産業においては最高四七パーセント、最低四・二パーセント、平均一三・四パーセントであること、および労働省の賃金実態総合調査(昭和三六年四月分)では、営業用小型貨物自動車運転手の月間きまつて支給を受ける現金給与額は、三五才ないし三九才(平均経験年数八・六年)の者で二四、三六四円、四〇才ないし四九才(平均経験年数一二・二年)の者で二四、四一二円、五〇才ないし五九才(平均経験年数一四・六年)の者で二二、一六五円であることを認め得る。その他に平均賃金および賃金上昇率についての証拠はなく、右平均賃金および賃金上昇率の計数字は信用もできるし、相当なものと認められるから、各計算を参酌して考えれば、前記認定の給与の額は、被控訴人の経験年数の増加に伴つて、第一〇年目まで一年を経過する毎に少なくとも前記給与額一八、〇〇〇円の三パーセントに該る金五四〇円宛増額され得るものと認めるのが相当である。被控訴人は、被控訴人の給与は、別紙第二計算表のとおり、第二、第三年度は各前年度の給与額の各一〇パーセント宛、第四ないし第六年度は同じく各一二パーセント宛、第七ないし第一〇年度は同じく各四パーセント宛、各上昇する旨主張するけれども、右主張事実を認めて前記判定を覆えすに足る証拠は、なんら見当らない。そして賞与もしくは年末手当の名目で、少なくとも年一回給与一ケ月分に相当する臨時給与の支給がなされている慣行のあることは、公知の事実であり、また給与を得るにつき、その一割に相当する経費の支出を要することは、被控訴人の自認するところであるから、前記認定の各年度の給与額に、右臨時給与を加え、その合計額から右必要経費を差し引いて計算するときは、被控訴人は前記一一年間に、別紙第一計算表記載のとおり、合計金二、六五七、七七二円の給与を受け得るものであつたことが明らかである。

ところで、被控訴人は、前記認定のように、本件事故によつてその労働能力の全てを喪失したものではなく、なお一般の軽作業に従事し得、少なくとも通常人の二分の一に相当する労働能力を保有しているものであるから、被控訴人の得べかりし利益の喪失額を算定するに当つては、前記認定の給与額から右労働能力によつて取得し得べき収入額を差し引くのが相当であると考える。前記認定の、被控訴人がなお通常人の二分の一に相当する労働能力を有している事実、被控訴人が本件事故による負傷の治療のため昭和三六年一〇月八日まで入院していた事実、および被控訴人の年令、経歴、家族構成などに関する事実に、<証拠>を綜合すれば、被控訴人は遅くとも昭和三七年四月一日から、その身体障害に適した業務に就職し得、かつ少なくとも月金九〇〇〇円の賃金収入を受け得たものと認めるを相当とする<証拠>中、右認定の趣旨に反する部分は、前記各証拠に照し、いずれも措信しがたく、他に右認定を動かすに足る証拠はない。もつとも、労働能力の一部喪失の場合に、就職の可能性に対する影響を考慮することなく、直ちに労働能力の喪失の割合の数字を根拠にして得べかりし利益の喪失を算定することは、必ずしも正確ではない。しかしながら、<証拠>によつても、わが国では、右のような立場からの統計表はなにも存していないことが認められるし、被控訴人においても、この点について別段なんの立証をもなしていないから、現在では、労働能力の喪失の統計表によつて得べかりし利益の喪失を算定するのもやむを得ないと解する。本件の場合においても、<証拠>によれば、被控訴人は昭和三七年四月一日から現在まで殆んど職についていないことが認められるが、それも被控訴人の妻が就職しているために、被控訴人が他に職を求めることの困難な事情に因つていることが認められる。しかも、被控訴人が本件事故当時現実には就職していなかつたが、後記判示のように、得べかりし利益の喪失については、その当時の被控訴人の労働能力に対応する収入を得ていたものとして算定しているのであるから、上記のような算定方法によることは相当であると解せざるを得ない。右賃金額も、被控訴人の経験年数の増加に伴ない、一年経過ごとに少なくとも前記認定の三パーセントの率で増額され得るものと認むべく、これを基準として前記認定の割合による臨時給与および必要経費を前同様の方法により加算または差し引いて計算するときはは、被控訴人は、昭和三七年四月一日から昭和四七年三月三一日までの一〇年間に、別紙第一計算表記載のとおり、合計金一、一九五、一五五円の賃金収入を受け得るものであることが明らかである。

したがつて、前記二、六五七、七七二円から右金一、一九五、一五五円を差し引いた金一、四六二、六一七円をもつて、被控訴人が本件事故によつて蒙つた得べかりし利益の喪失額であるというべきである。

右認定の得べかりし利益の喪失額を、ホフマン式計算法により、各年度毎に(昭和三六年四月一日から昭和三七年三月三一日までを第一年度とし、以下昭和四七年三月三一日まで、これに従う)、年五分の割合による中間利息を控除し、昭和三六年四月一日現在(右得べかりし利益は、前記認定のように、同日から発生すべかりしものであるから)において一時に支払を受くべき金額に引き直すと、金一、一四九、九九七円(円位未満切り捨て)となることは、計算上明らかである。

控訴人は、被控訴人の得べかりし利益の喪失額は、本件事故発生当時において被控訴人が現実に得ていた収入額を基準として算定すべきところ、被控訴人は本件事故当時においては就労しておらず、その収入は皆無であつたから、得べかりし利益の喪失はなかつたものである旨主張する。被控訴人が昭和三四年九月二八日以来転落事故による負傷のため休業し、本件事故当時は賃金収入がなく、生活保護法による生活扶助を受けていたことは、前に認定したとおりである。しかし、被控訴人は、前記認定のように、本件事故当時においては転落事故による負傷は僅かの後遺症状を残してほぼ治癒し、小型自動四輪車の運転手として就労できる労働能力を有するに至つていたもので、かつ遅くとも昭和三六年四月一日から小型自動四輪車の運転手として就職し得る状況にあつたのであるから、前記認定の給与額を基準として、その得べかりし利益の喪失額を算定するのが相当である。したがつて、被控訴人が、たまたま、本件事故当時賃金収入を得ていなかつたとの一事をもつて、その得べかりし利益の喪失がなかつたものとなすことは正当ではなく、控訴人の右主張は採るを得ない。

被控訴人は、被控訴人が小型自動四輪車の運転手として受け得べかりし給与額は、政府の所得倍増計画の進展に伴ない、別紙第二計算表記載のとおりの率で毎年上昇するから、昭和三七年四月一日以降の各年度の給与額は、それぞれ右上昇率を乗じて算定すべきである旨主張する。<証拠>によれば、昭和三五年一二月二七日閣議決定を経た政府策定の国民所得倍増計画においては、将来の分配構造の試算には問題が如いが、産業構造の高度化、生産性の上昇と労働需給の好転、低所得層の減少などを前提とし、右計画に掲げられた諸政策が効果的に行なわれた場合には、目標年次である昭和四五年度までに、勤労所得(一人当り勤労所得に雇用者数を乗じたもの)は、基準年次(昭和三一年ないし昭三三年度の平均)の約三・三倍に、一人当りの賃金は基準年次の一・九四倍に、それぞれ上昇するものとしていること、および右計画においては途中年次の各上昇率にはなんらふれていないが、一応、基準年次から目標年次までの一三年間、毎年次同一の上昇率をとるものとして計算すれば、この間の平均上昇年率は五・二パーセントになるものであることが明らかである。しかし右所得倍増計画にいうところの前記勤労所得および一人当りの賃金の各上昇率なるものは、前記の如く、右計画に掲げられた諸政策が効果的に行われた場合を想定して、長期的見通しの下に一般的、抽象的に策定されたものにすぎないものであることも明らかであり、仮りに勤労所得および一人当りの賃金が、右計画において想定しているとおりの上昇を遂げ得るものと仮定しても、これに伴つて、物価の上昇などにより勤労者の支出も増加すべきことは、当然予想し得るところである。のみならず、経済界の動向は、相当長期に亘つてみれば、必ずしも常に上昇のみをたどるものとはなし難く、時には不況の波に襲われ、経済恐慌までには至らないにしても、倒産、失業が相い次ぎ、引いては勤労所得および一人当りの賃金の下降すべき事態が起らないとは、とうてい断言できないところである。したがつて前記所得倍増計画が長期的見通しの下に一般的、抽象的に策定した勤労所得および一人当りの賃金の上昇率もしくは右上昇率から算定できる前記平均上昇年率は、被控訴人が小型自動四輪車の運転手として得べかりし前記認定の一一年間の給与額についての上昇率を、訴訟上の損害賠償の際に、具体的に算定するの基準として用いることは適当ではないものと考えられる。もつとも、<証拠>によれば、右計画策定後の昭和三六年度および昭和三七年度における勤労者一人当りの実質賃金の上昇率は、前者において九・一パーセント、後者において四・一パーセントであつたことを認め得るけれども、右賃金の上昇が、前記計画によつて達成せられたものであることを認めるに足る証拠はなく、仮にそうだとしても、具体的に被控訴人の前記認定の給与額が昭和三七年度において右上昇率どおりの上昇を遂げたであろうことを認めるに足る証拠もない。したがつて、被控訴人の右主張は、採用できない。

前記認定の本件事故により被控訴人の受けた負傷に関する諸事実に照せば、被控訴人は本件事故により甚大な精神的苦痛を蒙つたことが明らかである。控訴会社が被控訴人の右負傷の治療について入院料、治療費などの一切を負担支払つたことは当事者間に争がなく、<証拠>を綜合すれば、控訴会社の前記支払額は金五三万円を下らないことを認めるに足り、右事実に、前記認定の被控訴人の年令、経歴、家族構成および本件事故による負傷の部位、程度などについての諸事実を綜合して考えると、被控訴人の右精神的苦痛は、金五〇万円をもつて慰藉され得るものと認めるのが相当である。

被控訴人が、本件事故による損害賠償を請求するため、弁護士上山義昭に訴訟代理を委任し、同弁護士が被控訴人の訴訟代理人として昭和三七年一一月八日東京地方裁判所に本件訴訟を提起し、爾来本件訴訟を遂行して来たこと、および第一審における被控訴人請求金額は金三〇〇万円(得べかりし利益の喪失による損害二五〇万円、慰藉料五〇万円)であつたが、当審において金三、六五一、五九一円(得べかりし利益の喪失による損害二、五〇八、〇六〇円、慰藉料五〇万円、本件訴訟委任による弁護士に対する手数料および報酬金五七一、五三一円)に拡張されたことは、本件訴訟の経過に徴し明らかである。

<証拠>を綜合すれば、次の事実を認めることができる。すなわち、阿部守は本件事故につき昭和三六年二月頃東京区検察庁において取調を受けたが、本件事故は同人の業務上の過失に因るものではなく、不可抗力に起因するものとして、間もなく不起訴処分になつた。被控訴人は、昭和三八年二月二二日東京第二検察審査会に対し右不起訴処分につき審査の申立をなし、同年七月三〇日同審査会において右不起訴処分は相当でない旨の議決をなしたので、東京地方検察庁は同年一二月二六日阿部守を業務上過失傷害罪で起訴し、東京地方裁判所は昭和三九年六月一五日罰金三万円の有罪判決を言い渡した。被控訴人は昭和三六年一一月二日頃控訴会社に対し、本件事故による損害の賠償として金四〇〇万円の支払を請求したが、控訴会社において同月七日頃障害補償金として金一三五、〇〇〇円、治療費、看護料、その他の諸雑費として金六〇〇、〇〇〇円、慰藉料として金五〇、〇〇〇円、以上合計金七八五、〇〇〇円の支払を認め、その余の支払を拒絶する旨の回答をした。その結果、被控訴人は、止むなく、弁護士上山義昭に本件訴訟を委任した。右認定を覆えするに足る証拠はない。

右認定の諸事実に、本件訴訟の経過を合せて考えると、本件訴訟は、素人である被控訴人自身において遂行することは、必ずしも容易なものでなく、弁護士に委任してこれを遂行しなければ、その目的を達することは極めて困難であつたものと認めるに難くない。したがつて、被控訴人が本件訴訟を前記弁護士に委任した結果、同弁護士に対し負担するに至つた後記認定の手数料兼謝金支払の債務は、本件事故に起因するもので、これと相当因果関係の範囲内にあるものというべきであるから、控訴会社は、相当額と認められる右手数料兼謝金の額の金員を賠償すべき義務があるといわなければならない。

ところで、上山義昭が第二東京弁護士会所属の弁護士であることは、本件記録上明らかで、<証拠>によれば、右弁護士会が制定した昭和二九年五月一五日施行の報酬規程には、係争物の価額が一〇〇万を超え五〇〇万円までの民事事件につき、手数料は六分以上、謝金は一割以上と、同じく昭和三九年一月一日施行の報酬規程には、目的の価額または受ける利益の価額が一〇〇万円を超え五〇〇万円以下の民事事件につき、手数料および謝金は、それぞれ八分ないし二割と、定められていることが認められるから、被控訴人は少なくとも弁護士上山義昭に対し、本件訴訟委任に基づく手数料および謝金として、前記認定の得べかりし利益の喪失額一、一四九、九九七円、慰藉料五〇〇、〇〇〇円の合計額金一、六四九、九九七円に対する一割六分の割合による金二六三、九九九円(円位未満切り捨て)を支払うべき債務を負担するに至つたものというべきであるし、右金額は、同弁護士に対する手数料および謝金としては相当額と認められる。

そうだとすれば、控訴人は被控訴人に対し、得べかりし利益の喪失による損害として金一、一四九、九九七円、慰藉料として金五〇〇、〇〇〇円、弁護士に対する手数料兼謝金として金二六三、九九九円、以上合計金一、九一三、九九六円および内金七六三、九九九円(慰藉料五〇、〇〇〇円、手数料兼謝金二六三、九九九円)に対する昭和三五年一二月二一日以降、内金一、一四九、九九七円(得べかりし利益の喪失による損害)に対する昭和三六年四月一日以降各完済まで、それぞれ年五分の割合による遅延損害金を支払うべき義務あることが明らかであるから、被控訴人の本訴請求は、右義務の履行を求める限度において、正当として認容すべきである。

原判決中、控訴人に対し金一、六四九、九九七円および内金五〇〇、〇〇〇円に対する昭和三五年一二月二一日以降、内金一、一四九、九九七円に対する昭和三六年四月一日以降完済まで各年五分の割合による金員の支払を命じた部分を除くその余の部分は失当であつて、この部分に対する控訴人の控訴は理由があるから、民事訴訟法第三八六条に従い、これを取り消し、被控訴人の右部分の請求を棄却し、原判決のその余の部分は相当であつて、控訴人のその余の控訴および被控訴人の附帯控訴は、いずれも理由がないから、同法第三八四条第一項に従い、これを棄却すべく、被控訴人が当審で申し立てた請求のうち金二六三、九九九円およびこれに対する昭和三五年一二月二一日以降完済まで年五分の割合による金員の支払を求める部分を認容し、その余の部分は失当として棄却すべきものとし、訴訟費用の負担につき同法第九六条、第九二条、八九条を、仮執行の宣言につき同法第一九六条第一項を適用して、主文のとおり判決する。(村松俊夫 江尻美雄一 兼築義春)

第一計算表

年度別

小型自動四輪車の運転手として

得べかりし給与

身体傷害者として得べき賃金

得べかりし利益の

純喪失額

給与月額

給与年額(A)

賃金月額

賃金年額(B)

(A)と(B)との差額

昭和

三六

年度

一八、〇〇〇

二一〇、六〇〇

二一〇、六〇〇

三七

年度

一八、五四〇

二一六、九一八

九、〇〇〇

一〇五、三〇〇

一一一、六一八

三八

年度

一九、〇八〇

二二三、二三六

九、二七〇

一〇八、四五九

一一四、七七七

三九

年度

一九、六二〇

二二九、五五四

九、五四〇

一一一、六一八

一一七、九三六

四〇

年度

二〇、一六〇

二三五、八七二

九、八一〇

一一四、七七七

一二一、〇九五

四一

年度

二〇、七〇〇

二四二、一九〇

一〇、〇八〇

一一七、九三六

一二四、二五四

四二

年度

二一、二四〇

二四八、五〇八

一〇、三五〇

一二一、〇九五

一二七、四一三

四三

年度

二一、七八〇

二五四、八二六

一〇、六二〇

一二四、二五四

一三〇、五七二

四四

年度

二二、三二〇

二六一、一四四

一〇、八九〇

一二七、四一三

一三三、七三一

四五

年度

二二、八六〇

二六七、四六二

一一、一六〇

一三〇、五七二

一三六、八九〇

四六

年度

二二、八六〇

二六七、四六二

一一、四三〇

一三三、七三一

一三三、七三一

合計

二、六五七、七七二

一、九五一、一五五

一、四六二、六一七

各年度は、当該年の四月一日から翌年の三月三一日まで。

給与年額および賃金年額は、臨時給与または臨時賃金として給与または賃金の一ケ月分を加算し、必要経費を差し引いた額。

第二計算表

年度別

月額給与額

年額給与額

前年度に対する給与増加率

所得倍増による増加率

経験年数による増加率

1

昭和三六年度

一八、七〇〇円

二四三、一〇〇円

2

〃三七年度

二一、九一六円

二八四、九〇八円

七・二%

一〇%

3

〃三八年度

二五、六八四円

三三三、八九二円

4

〃三九年度

三〇、一〇一円

三九一、三一三円

七・二%

一二%

5

〃四〇年度

三五、八八〇円

四六六、四四〇円

6

〃四一年度

四二、七六八円

五五五、九八四円

7

〃四二年度

四七、五五七円

六一八、二四一円

四%

8

〃四三年度

五二、八八三円

六八七、四七九円

9

〃四四年度

五八、八〇五円

七六四、四六五円

10

〃四五年度

六五、三九〇円

八五〇、〇七〇円

11

〃四六年度

七〇、〇九八円

九一一、二七四円

合計金六、一〇七、一六六円。

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